「甘燗桜」   作:辛味噌





「おいおい、月見。なんだってこんな所に…俺達、部外者だろうが」

「そんな硬っ苦しい事を言っておると若禿しおるぞ、陽司や」

十二月であってもふわふわと暖かい小春日和。
学校構内を迷いの無い歩調でずんずんと進む妖怪兎・月見と、
おっかなびっくりといった様子でついて行く青年・白葉陽司。
 小鳥遊ヶ原総合大学。生理学方面に長じた中流大学としての認識が知れ渡っているが、
その農学科が水準を大きく上回る学科であることは、一般にはあまり認知されていない。

「で、見せたいものって何だよ。いくら俺達が観緒ちゃんの友人だからって、
訪問許可証も出してない相手に、大学側がいい顔するわけないだろ」

陽司の言う通り、事前に許可も、観緒に連絡すらしていないため、
今大学側の人間に見つかったらつまみ出されること必至だ。

「心配性にもほどがあるぞ、陽司。先程から人払いのまじないをかけておる故、
平気じゃと言っておろうが」
肌身離さず持ち歩いている扇をバサッと広げ、口元を隠しころころと笑う月見。
たとえ万が一見つかっても『どうにかする』気まんまんの悪い笑顔だ。

「そういう問題じゃ……はぁ…」
そして陽司は知っている。こういう時、この黒兎に何を言っても
無駄どころか、逆効果ということを。
下手に刺激するより、おとなしくついていったほうが幾分かはマシだ。
そうやって、陽司は自分を納得させた。

「分かったよ…で、どこに行けばいいんだ?」

「おやおや、陽司にしては随分と物分りが良いのぅ。
明日は大荒れじゃな」
心底意外そうに、吊り気味の瞳をぱちくりする月見。
もっとも、本心が全てでなく陽司をからかう気持ちも多分に含まれているようだが。

「茶化してないでさっさと行くぞ」
再び、大きくため息をついて月見を急かす陽司。

「…ほぉ、言いおったな?」
くすり…

「…?」
怪訝な顔をする陽司に、月見はひらひらと手を振り
「よいよい。今は気にするでない…今は、な♪」







大学農学部農学科の一角…女子トイレ。
移動教室やカフェテリアなどが進路上に無いため、めったに利用者が
訪れないが、管理が行き届いているため小奇麗に掃除されており、
不快感は全くと言っていいほど無い。


「月見、まだつかないのか?  って、ここは女子t むぐぐっっ…」

「ええいっ、大声を出すでないわっ……楽しい秘め事を見逃すではないか…♪」

大声を上げそうになった陽司を制し、にこぉ、っと口の端を吊り上げる月見。
長年この黒兎と連れ立って来た陽司には、既にして
嫌な予感がひしひしと感じ取れる。

「ゴチャゴチャと細かい事を気にするでないわ…ほれ、こっちじゃ…♪」

「こんな所にいったい……・・・え?」


「…ッふ……ァ……ッッ……ちゅ、……は、ぷ………ッ」
その一番奥の個室から、押し殺したか細い声。
必至に押さえているのが聞いて取れるが…

ッかちュ…にゅちゅっ……ぷちゅ、にゅちっっ……

聞くものが聞けば、一瞬で『それ』と分かる音と声が、
絶えず漏れ出していた。

「こ、この声…は…」

「…よぉ〜く…聞き覚えのある声じゃろ?陽司…」
指先で隠しきれない笑みを隠し…白い頬をぽぉっと染める月見。

「ほれ…もっとよく…聞くがよい…♪」
動揺する陽司を個室の戸に押し当て、耳を当てさせる。
ギィッ、ときしんだ音を立てるが、幸い個室の主……

「ッふぁ…ッふ……よぉじさんっ…陽司っさんっっ……
――自慰行為に夢中な緋桜観緒には、気付かれなかったようだ。

「〜ッ…月見、これってッ…」

「鈍いヤツじゃのぅ…これもアレもあるまい…聞いた通りじゃ……ふふ…♪」
黒長耳を欹てて。
粘液のこすれ合う水音と、愛慕に満ちた嬌声全てを拾う月見が囁く。

「あのお嬢はな…お主を好きで好きで堪らぬ故…このような場所で、しておったんじゃ…♪」
ねっとりと、オナニー令嬢の影響を受けた視線を陽司と絡ませながら、月見がしなだれかかる。
そのか細い指は、それがさも当然とでも言うように陽司の股間…ミッチリとテントを張り、
トランクスに濃厚な先走りをにじませたモノをなぞる。

「くんッ…くん…は、ぁ…このド助平めが…
ここからでも、臭いが分かるほど…溢れさせおって…

「お、い…月見……うぁ…?!」

ちぃィ〜……ッッッブルっっびチュんッッ

「嬢の声と音だけで…こんなになりおって…♪だらしのないケダモノチンポじゃのぅ…

ッぢゅごッ ぶちゅボッッ  ッにぢュッッ

月見の手で型作られた極上即席オナホが、陽司の野太いマラを
たっぷりねちねちと扱き揉み…どろりとした先走りを、全体に塗り広げる。

「ば…かっ、観緒ちゃんに、聞こえる…だろっっ…ぐぁ、ぁ・・・!?!」

「レ、るぅ………うだつの上がらぬ風采のクセに…ココだけは、伊達男じゃな…心配するでない…術を使っておるから…」

先走りをてらてらと黒光りさせる痙攣チンポにくちュくちュと、口内にためたヨダレを
とっぷり垂らしながら、上目遣いで月見が擦り寄る。

「たぁっぷり……声を出して、いいんじゃぞ…


ッくにゥ……ッちゅプッ……くにっくニッッ

「陽司さん…ッ陽司さん……ぁ、ぁ…ッだめ…
ックリちゃん、きゅぅう、って…ぁ、ぅう……ッひ、…ン……
トイレの薄い戸壁一枚を隔てて、観緒の妄想もますます卑猥に変貌する様が
手淫の音色や声のオクターブからも見受けられ…
観緒のクリオナニーをBGMに、月見の手コキもますますねちっこくなる。

「ぁ、ふ…ぅうううう……やっぱり…ダメじゃない、です…
ダメじゃない、から……陽司さん……もっと…私のクリちゃん…見て…犯して……

扉越しでも聞こえる、『にちゃァッッ…』という音色。
想像の中で観緒の処女肉を自ら拡げ…陽司がたっぷりと視姦している。
それが容易に想像できるほど、緋桜の末娘の声は淫らに蕩けきっていた。

「このチンポで、お嬢も堕としたんじゃな…全く、極悪人め…ッ

「そんな、事は…ッぁグゥ…ッ!?!」
反論を封じるように、月見の手のひらはぬるぬるチンポを強烈にシェイクし、
可憐な唇からねっとりと、追加の温かい唾液を垂らして、にゅごにゅごと
潤いを与える。

…ッぴチャ…ぴちゃ……つつぅゥ……

「ふふ…ムスコは素直じゃと言うに…父は強情じゃのぅ…ほれっ…ほれっ……

ヂュゴッヂュゴッッバぷっッブヂュッッ

「ぅっぁぁがぁっっ…!!」

派手な水音を立て搾り抜くと、チャックの隙間から雄々しく隆起した勃起肉が
びくくッと震え、更に硬度と全長を高める。

(陽司め…ほんに、人間らしゅうない精力をしおって…)

扉の向こうの観緒に気づかれないように肉コキの音を符術で遮りながら、
ぽんやりと黒兎が想いを馳せる。

(――……夢中に、なってしまうではないか…)
恍惚とした脳裏に浮かんだ一筋の考えは、息子や弟のような存在だった陽司の肉棒を
扱き嬲るたびに加熱し…宵闇色の着物に包まれたしなやかな腰は、オス勃起を
グチュグチュと弄るごとに真綿が水を吸うように、ズシリと重くなる。

「……陽司。」

「ぁ、ぐ、ッ……つ、月見…?…んぐ…」

ちゅ……ッちゃぷ…くちゅ…れちュ……ッぽん…

きゅうっと背中に手を回し抱き、めいっぱい背伸びして。
月見は陽司と濃厚なくちづけを交わす。

「ちゅ、ちゅ、ちゅ、ちゅ……ふぁ、んちゅ……  …もう、出そうじゃな…陽司の、チン汁…
ほぼ皆無に等しい胸を押し付けながら、月見の指はプチュプチュと陽司の尿道をかき混ぜ。被虐性質を持ち合わせる困った肉茎が、白魚のような指先にたっぷり逆レイプされ、悦びに脈打つ。

「っっぃギィ!?!!つ、つき…みっぅ、ごぁっっぁ・・・!!!!」

「陽司……たぁっぷりびゅーびゅーして…お嬢に挨拶するんじゃぞっっ
頬を染め、小首を傾げる反則的仕草で指先をぎゅりぃっっっとネジ込み……

「ぉ…ぉ、ふぅう…ぉごぉおおおおっっ……!!!」

ぶぼぉおおっっっと陽司がアヘ顔射精を始めれば、指先をにゅぽんっと引き抜き……
―――音無しの符術を、解く。


ッッびヂィッッッびちゅっっっッッびちっっぴゅっっぶぷゥウウウウ……


思いっきり、陽司の特濃ザーメンゼリーが秘め事の個室をノックし……

がたんっっっ

「ッひ………だ、誰ですか!?!そこに居るのはッッ!?!」
薄い壁を一枚隔てて、狼狽しきった観緒の声。
甘美な妄想オナニーに夢中になっていたとはいえ、まさか全く気づかずに
闖入者を許すとは思ってもいなかったようだ。

「ひらけーゴマ…じゃ…
――がちゃり…

「えっ、なんでッッ鍵が……いや……ッ!?!」

ぎィィイ……
鈍い音を立てて、たっぷりとゼリーザーメンのこびり付いた個室戸が開く。

「み、お…ちゃん……ッ……」

陽司の視線の先には。

ひんやりした便座蓋にスカートと同じ赤系格子柄のストールを引き、足をぐぃいっと
高々上げて左右の壁に固定し……いわゆるまんぐり返しの姿勢で、
ぐっちゅりと濡れた縞パンティを足首に引っ掛けて、
小指の先程もあるクリトリスを扱く観緒の姿があった。

「よ、陽司、さ………っっ」

ぶるるるるッッッ……

「〜ぃゃっっ……み、見ないで………は、ぁ………ぁぁぁぁぁ………ッ…」

ッ…ぷしゅっ…ぷしゃっっぷしゃぁああ……ッッッぴちゃちゃ……ッぴちゃ…

「お主に見られてイキおったのぅ、このお嬢は……まるで小水のように漏らしておるわ…

月見の言うように、首を仰け反らせ、ガクガクと絶頂汁を飛び散らせる令嬢が最も反応したのは
陽司の存在で。とりわけ、月見が今現在もぐっぢゅぐっぢゅと扱き抜いてる長大なイチモツが原因だろう。
びゅぐっぶびゅっと真っ白いマグマのように噴射を続けてるザーメンの射出先が、
その手綱を握っている黒兎によって、ゆぅっくりとオナニー令嬢に向けられ…

   にゅぶっっっ

「ッッひぃウ!?!」

「ぁぎィッッ!?!」

―――未だ噴射中の矛先亀裂が、ぴンッッとそそり立ったクリペニスに擦り付けられる。
びくんっびくんっと痙攣しながら溢れ出る観緒のアクメ汁が小奇麗な

「ほれ、陽司…お主の大好きな尿道いぢりじゃぞ…
はぁ…ケダモノチンポめが、とっぷりと射精しおった後で、
すぐにいきり立ちおって…

ッずにゅっっ…にゅぷ……ッぷちゅッ…

「ん、ぐ、ぉ・・・ぉっ……つき、みっ、なんで…こんな…ッぁ、が……」

「――何故、じゃと?」

ッッくチゥっっ

「ンぉおっっ…!!」

少々の苛立ちを伴った月見の腰誘導で、まんぐり返された観緒の直立クリペニスが、
先端から根本まで陽司の尿道に擦りつけられ……

ッッびゅぶ…びゅぶぶ…びゅぢぢ……

「ッッ……ぁ…あっっ…〜〜…

桜色の秘唇に、こってりどろりとした白濁…
征服の証をぶちまけられ、愉悦に浸る観緒が
潮吹きマーキングを返す。


「折の天災をこれ幸いと、お主とお嬢を仲立ち契を結ばせようと
奔走した儂の苦労を全て無にしよってからに…」
陽司の肉茎から玉袋まで新たなザーメンを絡め伸ばし、
ぬちゅぬちゅと揉みたくる。


「此処に居る間、妙に陽司は猫を被りケダモノ面を隠しおるわ、
お嬢はお嬢で…」

ぱしっっ…

「あッッ…!そ、それ…ふぁ…み、ちゃ…だ、め…れふ……ッ…〜…」
放尿かと見紛うほどに長い潮吹きを終え、呂律の回らない観緒の
弛緩した指から握り締めていたモノを奪いとり、
からかいと呆れの入り交じった微笑みを月見が返す。

「――このケダモノ男をオカズに日々変態自慰に励んでおる。
まったく…どうしようもない助平お嬢じゃ。そう思うじゃろ?陽司」

耳まで羞恥の赤を帯びた観緒に囁きながら
月見が陽司にひらひらと見せびらかすのは、
ここに逗留してからの陽司の顔写真が表示された携帯液晶。
その画面にはびっちゃりと観緒の蜜が降りかかっていて……
ぬらりと光るその卑猥さに、陽司の喉元がゴクリと鳴る。

「き…嫌いに、ならないで…陽司、さん……」

アクメ余韻に浸りながらも自身の恥ずかしすぎる行為を思い返し、
陽司の反応をびくびくと伺う観緒。
その様子はまるで怯えた仔犬のようで…

「――嫌いになんてならないよ、観緒ちゃん」

ぎゅ…なでなで…

「陽司……さん…?」

ぽゎんとした表情で陽司に抱きしめ撫でられ、観緒がおずおずと
その広くて大きな背中に手を回す。

「嫌いになるどころか、むしろ……うん、エッチで…
可愛かった、と、思うな…」

気恥ずかしげに言い慣れない言葉を囁き、照れ笑いし目線を外す陽司。

――――ぎゅぅうううううう……

「…陽司さん、もう、一回……

「えっ?」

「もう一回です……さっきの……

陽司が目線を戻してみると、そこには先程の甘蕩具合すら生ぬるく、比べ物にならないほど
とろとろな表情をした観緒。幸せすぎてこのまま何処かへ行ってしまいそう、とでも
主張しているように、

…ちゅ…ちゅ、ちゅ、ちゅ。ちゅ……

陽司の背中に華奢な指を食い込ませ、バードキスの雨を、何度も何度も陽司の顔中に降らせる。
「え、っと……可愛い…よ。観緒ちゃん…」

「陽司、さん……陽司さん、陽司さん、陽司さんッようじさんっっ……〜〜
観緒に尻尾があれば、ちぎれんばかりに振りまくられていただろう。
完全服従の微笑みを向け、絶対離さないと言うように


「ちゅッ、んちゅ……ちゅ、っちゅっ……っ…
陽司の腰に両足を絡めて。今度は陽司の唇にキスの嵐。

「観緒ちゃ ……ん…むっ……」
背中に回す手の力をぎゅっと強めて、
観緒の美しい月毛を手梳きながら、
体を擦り合わせ…

れろ…ぴちゅ……ッくちゅ……ちゅ…れろぉお……

「ちゅ…んぅ……はぷ…ちゅるぅ…

そうするのが、さも当然と言わんばかりに。
どちらともなく舌先を絡め、ディープキスを交わし始める。

(な、何じゃ何じゃッさっきまで二人ともオドオドと怯えておったくせに…
きゅ、急に伴侶の如く寄り添い睦み合いおって…ッ)

月見の表情にはよっぽど我慢していたのだろう。
相当な鬱屈が溜まっており、
二人をくっつけようとした苦労が目の前で成就、解消されようとしているのに、
それが晴れる兆しは見えず、自身のもやもやした胸の内の正体に、未だ気づかない。

(――ん…ッ〜……)

くちぅ……ッくちゅっくちゅっっぐちゅっっっ…

月見の赤瞳は、二人の淫らな絡み合いをとろんと見つめ…
無意識に、濃蜜がとっぷりと溢れる淡色の秘唇に、
両手の指を宛てがい、ぶちゅぶちゅと攪拌自慰を始めてしまう。

そんな月見の淫ら姿に気づく事無く、
二人の世界に没頭した陽司と観緒の口歓はますます激しさを増し続けて。

「…ちゅぷ…れりゅ…
ん…私…もう、我慢しませんし…できません…


ぎゅぅ…れる…ちゅぅう……


「れろ…れりゅ…観緒ちゃ…んっ…!!」

陽司が怯むほどに観緒の口づけは貪欲で、陽司を溺れさせるつもりなのかと
思えるほどに、長年我慢してきた想いを
唾液の交歓に注いでいる。

「チュゥぅう…ちゅっちゅ…はぁ…もう…陽司さん無しじゃ考えられないほど…
…ちゅっっ…好きだったんですよ?それなのに、陽司さんってば、にぶちんさんで
いつも子供扱いで…そのせいで我慢の限界です…責任取って下さい、
毎日毎日種正に寄って…陽司さんと、イチャイチャしちゃいます………


「ちゅ…んむっ…は……観緒…ちゃ、ん…?」

今度は、なにやら言いたげに視線を注ぎ、うなじに腕をあてがい引き寄せ、
見つめ合う。
その様子を月見は穴が開くのではないかというほど見つめ、一層艶のある黒着物の下で
ぱくぱくと悶えている肉唇をぢゃぶっぢゃぷっ小さく細い童女指で慰める。

(うぅ…儂以外のものがあんな近くに……
嬢め、儂が手引きしてやったというのに二人の世界に没頭しおって…!!)

「観緒  …って、呼び捨てにしてください…」

「観緒ちゃん、それは……」

「もうっ…ちゃんと呼んでくれないと、ずぅっと、離れませんよ…

トイレの便座から、ぐいっと腰を起こすほどまで、強く陽司にしがみつく観緒の
様子からは、既に先刻までの羞恥だけに身を震わせていた姿が嘘のように、
陽司の腰に細く白くしなやかな御足を絡ませ、愛しい相手に媚態を見つめて欲しいと
主張するように、とろとろの眼差しをあずける。

「じ、じゃあ…み、観…緒…?」

「はい、あなた…

おそるおそる、といった様子で呼び捨てにする陽司に、
ここぞとばかりに、観緒も甘く蕩けきった声で囁く。
未だ、誰も呼んだことのない呼称で。

(な、な、な…なぁにが『あなたっ』じゃっっこの小童めが!!
ぬしが恋焦がれるよりもずぅっっと昔から儂は陽司を…
…ッ…陽司…を……)

そう、今更自分の心に問い正すまでもなく。
人である陽司とは子を為せず、白葉の血縁と交わることが
叶わぬ夢であっても。

(…儂は…)

―――陽司が、好きなのだ。
いくら自分を欺いても、ごまかしきれないほどに。


「じゃあ……陽司さん。私を……



「……すまん…お嬢…陽司……」

二人の人間の甘く淫らな雰囲気を遮るように…
その実遮るのではなく、より一層淫猥な華を添えるような黒兎の声が割り込み入り。

「月見…?」


「……………引きあわせた儂が、言える義理ではないのは、分かっておる…
しかし、じゃ……儂も……儂も………

陽司が……好きじゃ……大好きじゃっ…………
……じゃから……」

既に乱れきった着物の裾をしゅるり、と上げて。
ついさっきまで激しすぎる自慰に耽っていた、ぷにぷにとした兎穴を
魅せつけトロトロの本気蜜を垂れ流しながら


「……儂も…混ぜて欲しい……愛して、欲しいのじゃ……
陽司の、伴侶として………」


申し訳なさそうに、しかし、はっきりと。
今まではっきりと明言していなかった感情を交え、
月見は言った。







「もう…信じられません、あのタイミングでッ」

「う、うぅ…すまぬ…しかし、二人のイチャついておる姿を見ておったら、
我慢できんかったのじゃ……」

数分後。
若干のいざこざはあったものの、便座の上には観緒だけでなく、
令嬢の蜜穴に兎の蜜壺を重ねるように腰を押し当て、
その重ね餅の中心には、ヌッチュヌッチュと
陽司の巨大ペニスが突き立て擦られていた。

「嫉妬しちゃったんですね…もう、月見さんってば……
でも、同じ状況だったら、私も同じ事言ってたかもしれませんし…
許してあげます…んっ…

「んぅっ…」

ぴちゅ、ぬち…ぷちょ、くちょぉ…ッれちゅぷ……

肉唇へ陽司の肉槍が擦りつけられながらの、
レズディープ。既に相当高まりきっているのか、
肉が一擦りするだけで、舌先がぴちゃんっと跳ねるだけで
びくくっと軽アクメに浸り、肉欲が循環して更に
いやらしい腰使いと舌使いを醸しだす。

「ちゅっ、ちゅっ…ちゅるぅ……はぁ…
…もう、そろそろ良さそうですね……
……はい、陽司さん……

「お、お嬢…?……ふぁっっ……

っっぐぱぁ……

「私は二人きりの時に、初めてをもらっていただきますから……
今日は二人きりの空気に割り込んだ、えっちな悪い兎さんを
躾してあげてください…

菊座すら丸見えの姿勢で、観緒は月見の尻肉をがっしり掴み捏ね、
左右に開き陽司を誘う。

「…ぅう……この先ずっと言われそうじゃ…ぁ…あ…
み…見て、おるか…?陽司……儂の……肉壺も……菊座も…
ぜん、ぶ……おぬしのモノじゃぞ……
ッッ…は、ぁ……  よぉ…じぃ……

想いを素直に伝えた月見には、もう遠慮をする必要など無く。
自らの尻肉を観緒の指と重ねあわせ開き、
より一層淫らな肉華を咲かせた蜜壺で、隆々としたオスの雄しべを
誘惑する。

「観緒ちゃん、ごめんな…
……月見には、めいっぱい仕置しないとな」

ッッぷぐちゅっ…

ビキビキの肉塊を軽く押し当てるだけで、兎の肉穴はトロリとした半透明の本気汁を
こぼし、より深いところまでおねだりして

「もう…観緒、ですってば…それより、ほら…

「ああ……ッッ!!!」


……ぬぶぶぶぷプププ………ッッッずンっっ

「は、おぉおッッ……よぉじの…チンポ……きたぁああ……

「羨ましいなぁ…月見さん。何度もえっちすれば…こんな気持ち良くなるのかな…ん、ちゅ…

「んぅっっ…は、ぁっ…ぁ…ちゅぅううっ…

ずんっっずぢゅんっっッずヌッッぬぢっぐぽっっ……

狭い個室の中、陽司にめいっぱい肉壺をほじくり突いてもらいながら、
甘く短い吐息を漏らす唇は、性欲に貪欲な令嬢が占拠して、
ぬぢぬぢと粘膜を擦りしゃぶりあわせている。
その様子はこういう行為に至ったのは初めてと思えないほどに
スムーズで、陽司の突き上げと合わせて、
だらしない笑顔を晒す月見の性感を刺激する。


「ちゅっ…ちゅゥッッ…
ああ……陽司っようじっよぉじっっ……もっと、もっと、じゃ……
腹が突き破れるほどっ…激しく…犯して   ぉォオンッッ……〜〜…

ッぱぷ……ずぬぬぷ……ッッにちゅっにちゅっっ

「まったく、観緒にこんな顔を晒して…
あとで顔合わせられなくなってもしらないぞ?月見ッ…!」

ッッズンッッずぷりゅっっ

「ふァっっぉっっんぅっっっ
いい、のっじゃっっ今っっ気持ちよけれ、ばぁっっ
陽司に……ッ抱いて、もらえるのっっ…がっ……
幸せ、すぎて……っはぁっ…
狂って…しまう……ッッぉっんっっ

陽司の突き上げに合わせ、卑猥に腰を振りたくり
快楽を享受する淫らな黒兎に、陽司も観緒も
伝播し高まりあって。
突き込んだばかりの勃起肉を瞬時に限界値にまで
引っ張り上げ、陽司の腰を引っ張り込み、
離れられなくさせる。

「つきっっみっ締め付け、すぎ…だっ、
もう、限界が…!!」

「ふ、ぅ…んっっ早漏、すぎじゃっ陽司っっ
出す……ならっナカに…じゃぞっっ…

「ず、ズルいです月見さんっっ私も陽司さんの、欲しいのに…!」

「ン、ぁっっッ…譲ったのは、お嬢であろう
今回の陽司チンポは、ッ儂の、モノじゃっっ

蜜壺をにちゅにちゅ擦り合わせながら、
淫らな仲違いをする二人に気遣う余裕もなく、
陽司は常より格段に具合の良い月見の膣穴をめいっぱい使い擦り、
早々に限界へと至り、荒ぶる腰を叩きつける。


「も、う…駄目だ……ッッッぐ、ぅ……ぅ……ー!!!!」

っっぴゅるぶっっ…びゅびゅちっっ……びゅぶうううっぶびゅぷっっびちちっっ

「は、ォ………ん、ォオ……っっひ…ぃっっ……ぅ……

「月見さん…うっとりしてる…
舌をてろんって出して…
…えっち…すごく、えっち、です……」

兎の小さな身体では収まりきらない濃厚子種は、あっという間に溢れ出して
びちゃっびちゃっと観緒の蜜壺にまで滴り落ち、
その熱い粘液がコプコプと泡立ち、ドロリと垂れ落ちる度に
汗だくになった月見の頬を舐めしゃぶる観緒も、
ゾクゾクと背筋を愉悦で痺れさせる。


「お二人が、えっちすぎて……
見てるだけで…私も、イッちゃいました……
実際のえっちって…こんな、すごいんですね…」

観緒は、ぽぉ〜っとした笑顔でそんな事を呟き、
連続強烈アクメをキメてがくがくと震える月見を、
よしよしと撫でている。

「俺たちのは…少し特殊だと思うけど…
月見は…見ての通り、こんな助平だし…」

「誰が…助平…じゃっ…この…ケダモノ…ッチンポめが……

荒く短く息をつき、絶頂の余韻に浸りじゃれあう二人に
観緒はくすくすと笑いかける。

「陽司さんも、月見さんに負けないくらい…助平さんですよ?
……その助平さんのおちんちんで…」

陽司の目を見て
「……今度……奪ってもらえるんですよね…?」

何をか、とは言うまでもなく。
視線を合わせた陽司が頷く。

「…うん、今回は月見のワガママを聞いてもらったしね。
必ず…」

「――はいっ」

蜜壺から未だに子種を漏らしこぼす童女兎と抱き合ったまま。
淫気漂う場にそぐわない明るい声で観緒は返事し、




「…陽司さんがまいっちゃうくらい…
愛して、もらいますね……

オスとメスの臭気の漂う中、とびっきりに魅力的な
淫ら笑顔で、微笑むのだった。





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