「八房パソコン挑戦記」   作:わさび23


そもそもがそもそも。
神妖は人間よりも高い能力を持っており。高位のものであればあるほど強いのです。
カメラでテレビ画面を撮影すると肉眼では捉えきれないノイズとして波や模様が映りますよね。
なら人間より高い処理能力を持つ目にはモニターはどう写るか。
想像に難くないでしょう。
日常的に使いたくはないのです。
時に火を噴いたり、煙を上げることすらあるパソコンに対し平気で接している人間こそ特殊な生き物なのであって・・・おまけにあのうなる排気部分にはなにやら異臭がするときがあるじゃありませんか。
私には耐え難いです。
それなのに・・・こんなものが一般家庭の多くに普及し、なおかつあの憎き旧友ですら使いこなしているというのは納得しがたいし。
文明の堕落であるとさえ思います。
私はまた新たなカルチャーショックを味わい続けなければならないんでしょうか。
テレビに子供たちが群がるようになった時代の次にこういう時代がやってきて・・・。
改めて人の世は複雑であると実感しましたよ。

と、このように孫娘に愚痴を語っていたところ
「冗談でしょう?」
と返してきた。そして自分の部屋へ戻っていった。もとからああいう子だとは知ってはいたが、さすがにこたえた。
翌日、私の机の上に置いてあったのは「初心者PCマニュアル!!」という本だった。直接教えてほしいと言ってみたら即座に断られた。今度は泣きそうになった。
娘の方はといえば以前に私が諦めた難物に適応し、使いこなしている。
そして下手な婦人誌などより面白いという。
彼女とはこういうところの不一致で改めてあの人の子だと思う。
テレビにやっと慣れた私は彼女の話題の相手にしてもらえない。
さびしい反面こう、なんというかむくむくと悔しい気持ちが湧き上がってくる。


職場の雑談にて、子供の大半が十全に使いこなすとの話を聞き、危機感を覚えたころになってようやく'アレ'に電話をかけた。



そう、かのPC教室。ア○バへと・・・
わたしは恐る恐る電話をかけた。




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