「相棒と!!其の一」   作:首吊雅樂太





疑問
スイ「そう言えばますたぁーって女性が少し苦手でしたよね」
アムファルド「ん」
スイ「どうして僕と契約しようと思ったんですか?」
アムファルド「・・・ガイアが俺に契約しろと囁いていた(電波受信」
スイ「どうしたんですかますたぁー!?」

俺の目の前にはちびっ子が居る。今し方『契約』を終えた所である。
まぁ俺は晴れてこのちびっ子、スイとの契約者になったわけだ。

「これからよろしくお願いしますね、ますたぁー」スイは満面の笑みで跳ねる。
「ん」俺も頷いて応える。「ん?」ふと疑問が頭に浮かぶ。
「どうしました『ますたぁー』?」スイがキョトンとした顔で首を傾げる。
「ますたぁー?」俺も首を傾げる。
「はい!ますたぁー」スイがまた笑いながら言う。
「ん?」俺は自分を指差す。
「もう何回も言わせないでくださいよぅ」屈託のない笑みで返される。
どうしたものか。公の場で「ますたぁー」と連呼されては恥ずかしくて爆発するかもしれん。
「アムファルドで良い」「ますたぁーで良いんです」
神速のカウンターだった。已む無し。俺はその呼ばれ方を受け入れる事にした。
かくして、俺はスイの『ますたぁー』としての生活を始めた。

翌日。俺は久々に厨房に入る。警備やら防衛やらであまり手伝う事が出来ず、申し訳ない。
加えてフレアロット商会の方でも働かせて貰っているから厨房にはなかなか入れない。
「おう!アムファルドじゃないか」クマさんだ。いや熊さんではなくクマさん。
「ん」俺は手を挙げて軽く挨拶する。
「今日は暇なのか?」クマさんは巨大な肉をゴッツイ鈍器(彼専用のあの肉を叩くヤツ)でダイナミックに叩く。
結構ゆったりした厨房の雰囲気に違和感を覚える。
「今は午後の準備中だよ」クマさんが教えてくれた。
「そうか」俺は手を洗う。「手伝う事はあるか」
「おう。そこの野菜切っといてくれ」クマさんの指した方向には大量の野菜が。
「承知」俺は白狼を抜く。長さと刃を大きめの包丁に調節する。コイツの隠れた機能の1つだ。
トントントントントントントン。凄く良い感じの音が厨房に響く。料理は楽しいから好きだ。
「む。アムファルドか。今日は暇なのか」エアリィさんが片づけから戻ってきた。
俺は頷いて応える。彼女に続き、厨房のメンツがゾロゾロ帰ってくる。
接客を兼ねている者が殆どなので、厨房専門というのは少ない。
というか接客が料理人も兼ねている場合が多い。
俺は接客不向きだが料理はまぁまぁ出来るとの事で暇なときに手伝っている。
帰ってきたメンバーの中には当然スイも居るわけでして。

「あ、ますたぁー」

スイの一言にざわめく厨房。
そう言えばまだこの事を人に言うのを忘れてた。

「アムファルドぉぉぉ!!お前こんな小さい子に何を言わせてるんだ!」クマさんに鈍器で殴られた。
「見損なったぞこの変態!」エアリィさんに蹴られた。
「・・・・」無言で紅椿さんに蹴られた。
「ふん」スレイブさんに思いっきり殴られた。
「・・・・」ルナさんにも無言で殴られた。何だろう異常に重く堅い拳だった。
「でぃや!」ブロウドさんには義足で頭をドツかれた。
「破廉恥ですわ!!」エリスリット嬢にオリハルコン製お盆でブッ叩かれた。
「そう言うのダメだと思います!」レノ君に蹴られた。なかなか良い蹴りをする・・・・。
「このロリコン野郎!!」ラキナさんに飛び膝蹴りを入れられた。この人普通に格闘できる。
「是でも飲めぃ変態が!」リデル女史に謎の液体を飲まされた。毒耐性付いてて良かった・・・ゴフッ(吐血)。
「あまりよくないぞ。そう言うのは・・・」ハンナベルさんのお供達の連係攻撃。
「んー・・・あまり感心しないなぁ・・・」ロックの冷たい視線!俺の精神に9999のダメージ・・・。

かくして厨房勤務の皆様+αの総攻撃を受けた俺。もう体力はマイナス。思考を働かせるのが精一杯。
「うわあああ!皆さんストップストップ!ますたぁーが死んじゃいます!」スイがみんなを止めてくれた。
「どうしたスイ!弱みでも握られたか!?」エアリィさん酷い言い様だなぁ。
「いやそんなんじゃないんです!契約したからなんです!」スイの一言で全員構えを解く。
「つまりアムファルドは本当にスイの『マスター』なのか」クマさんが俺をチラッと見るのが分かった。
「そうだよ。だから別にますたぁーがロリコンな訳でも僕が弱味を握られてるわけでもないよ」
んー・・・まぁ説明してない俺が悪いと言えば悪いな。んー・・・傷が痛む。凄まじい痛みだ。
「うお。よく立てるな」クマさんが肩を貸してくれる。「すまん」
「ん。説明しなかった俺に責任はある」俺はフラフラのまま自室へ向かう。「申し訳ない。少し休む」
「わわわっ待ってますたぁー」スイが俺を支えてくれた。この子すっごくいい子だ。
成る程。スイはここまで厨房のみんなに愛されているのか。まぁ良い事だろう。
自室に付くなり俺はベッドにぶっ倒れる。
「大丈夫ですか?」スイが凄く心配そうなので、
「ん」と笑顔で応えておいた。
「無理はしないでね?」去り際の一言。もう本当にいい子だ。泣けてきたぞ。

本当に俺なんかで良かったのかな・・・。もっと彼女に相応しいマスターが居たんじゃないだろうか。
・・・・。彼女を従者と考えなければいい。彼女は、『相棒』だ。
懐かしい夢を見た。スイと契約して初日の出来事だったな。
みんな遠慮無しに攻撃してくるんだからなぁ。ギャグじゃなければ死んd・・・ゲフン。
さぁて今日も仕事だ。ゴキゴキと首を鳴らす。
「ますたぁー、朝だよー!」聞き慣れた声が俺を呼ぶ。

あとがきチックな何か。
まぁふと思い立って書き始めようと思ったものです。多分続きます。
というか続きます。その度多数の方に出演して頂くと思います。
その時は是非、宜しくお願いします。

お世話になってるよ!:銀鱗亭
名前だけで申し訳ない。バイト先:フレアロット商会

勝手に出演:

半人半鬼:紅椿 さん
黒雷の重撃手:ルナ=ルーシブル さん
轟く白刃蹴:エアリィ さん
静かなる捕食者:スレイブ さん
剛力の料理人:クラウス=マーマデューク さん
ポイズンピンク(ぁ:リデル・アルハンブラ さん
義足の竜人:ブロウド さん
Une fille du patissier:エリスリット=マグヌス さん
ザ・料理人(普通で申し訳ない:レノ・エレネ さん
炎の料理人:ラキナ さん
Un homme du patissier:ロック・フロウラー さん
我らが給仕長(真):ハンナベル=グラスドール さん
そして大事な相棒:スイ

ダンケシェン。


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