「日常・番外編」   作:首吊雅樂太





フレアロット商会月一セールのチラシ

眼帯印の万能丸薬(30個入り)695ゴールド→345ゴールド
カードゲーム【ロード・オブ・エデリオン】ブースタパック3個で210ゴールド(通常1パック150ゴールド)
カードゲーム【ロード・オブ・エデリオン:銀鱗亭パック】緊急入荷 限定300パック(1つ200ゴールド)
アナゴグミ(20個入り):314ゴールド→256ゴールド
Gホイホイ(5個セット):986ゴールド→875ゴールド

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ハンナベルお手製料理(お弁当・おやつ)
※午前中予約制。売り切れ次第その日の販売は中止致します
お弁当【松】:420ゴールド
お弁当【竹】:390ゴールド
お弁当【梅】:290ゴールド

※各種お手製スナックも在庫が無くなり次第販売中止となります。

メイムナー左翼にある雑貨店、【フレアロット商会】。
俺は非番の時や時間があるときに此処で働かせて貰っている。
利用者の殆どが宿泊客かメイムナーを偶然見かけて立ち寄った旅人や冒険家達である。
勿論、この此処には彼らが納得の行く品を揃えてある。
しかも生半可な質ではなく、かなり高品質である。
俺は今日も会長と助手の二人と店番をしている。

「ありがとうございましたー(サワヤカー」俺は魂を削る思いで限りなく爽やかな笑顔と爽やかな声を出す。

「うんうん。アムファルド君も接客に慣れてきたんじゃない?」商会長のエルティが満足そうに頷く。
「・・・・」俺は沈黙で応えると煙管を銜え直す。
「うわ渋っ」セティが俺の事をマジマジと見ながら言う。「もうおっさんじゃん!」
俺はしかめっ面でセティのベレー帽をぐいっと下げてやる。「まだ23だ」
「うおおお、前が見えない・・・・」フラフラとその辺をふらつくセティ。
というか彼女は普段から前が見えてないような気がするが・・・いや気にしてはいけないことか。
「あんまりセティをいじめないでね」エルティ会長の忠告に頷く。筆舌し難き威圧感。
「でもさぁアムは力仕事が得意なんだからそっちでも良いよね」帽子を直したセティがまた来る。
「あら、彼が進んで接客をやりたいって言ったのよ」
「へぇ」意外だ、という表情で俺を見上げるセティ。
「・・・・・なんだ」眼だけ彼女に向けそう呟く。
「いや意外だなぁって」恐らく彼女の本心からの言葉だろう。
こういう場所(銀鱗亭やこの商会)で働く以上、人との会話は重要になる。
そう言う事に慣れるのも含めてエルティには接客を申し出た。
彼女も快諾してくれたし、色々コツも教えてくれた。
セティもセティで色々教えてくれたし、感謝している。
いやはや俺の経験不足が浮き彫りになったと実感する。

「そう言えばアムファルド君のその服何処で買ったの?」エルティは俺の「部屋着」部屋着を眺める。
「ん?・・・・・確か修業時代にトライガルドで」微妙に覚えていない。
「なんか変なデザインよね。『部屋着』って赤く刺繍してあるし」
彼女の言うとおり、この服には『部屋着』と右側にでかでかと刺繍がしてある。
俺は何故かこれが気に入り、師匠に買って貰った。ちなみに左側に刺繍があるのも持ってる。
「なんかダッサいよねそれ」セティがケタケタと笑いながら指を差す。
「気に入ってるからいいんだ」俺は素っ気なく応える。
「まぁアムが良いなら良いんじゃない?」セティがまた近寄ってくる。「そういやさ」
「ん」眼だけで彼女を捉える。
「その右眼どうなってんの?」首を傾げるセティ。
「こらセティ」エルティが気を利かせたように止める。「ごめんなさいね」
「構わん。ちょっとこっち来い」セティをちょっと物陰に連れ込む。
「何々?」ワクワクした様子でセティが着いてくる。
「」俺は無言で縫い糸を解いて瞼を開ける。
「うわ・・・うわああああ!!」動転したセティが尻餅をつく。「か・・・空っぽ・・・」
そう。俺の目は斬られたのではなく、『抉り取られた』。だから眼球のあった場所は今は空洞だ。
「眼球がないと瞼がへこむ。だから瞼が張るように縫って貰った」そう言ってポケットから針と糸を取り出し
瞼と周辺の皮膚を縫い止める。もう何年も自分でやってるので問題ない。
「お客さんにそれはやめてね」エルティは困った表情で言う。
「勿論」俺は頷くとカウンターの後ろの椅子に腰をかける。

カランカラン。今日もまた店の出入り口カウベルが響く。

「いらっしゃいませ(サワヤカッ」そして俺は今日も己のために魂を削る。
正直此処での仕事は楽しい。色んな人に会えて色んな話を聞ける。
確かに人付き合いは苦手になったが、此処にいればすぐ直りそうだ。
ま、そんなことより今日もなかなかの客入りだ。
またスイに何か買って上げるだけの給料が出るかも知れない。
俺はそんな事を考えながらお薦め商品を紹介する。
「こぅちらのぅ、あぁ〜なごぅぐぅみはぁ〜・・・・(cv若本」


あとがきのような何か
愛と勇気と希望が武器の雅樂太です。嘘です。本当は武器は大食らいと惰眠と目つきの悪さです。
まぁ今回は番外編です。『日常』はあくまで宿内。それ以外の『日常』は番外編とさせて頂きます。
あとお金の定義ですが、個人解釈で「1ゴールド=一円」の相場になってます。

お世話になっております:フレアロット商会

勝手に出演:

フレアロット商会会長:エルティ=フレアロット

小さな力持ち:セルセティア=ジェンマ


センキュー。


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