「狐狩り・裏」   作:匿名希望





ギシリ……
「く……ぁ……」
薄暗闇の中、擦れる音と微かに呻き声が響く。
…ギシ…ギシ……
「…ふ……ぅ…」
その暗闇の中で少しずつ動く影がある。
それは腹を下にし天井の梁から伸びる縄に吊られている。
闇に浮くのはまだ幼い裸体、両手は背に、両足は開き畳まれ、絹のような肌は柔らかく、秘部には産毛しかなくそれがより一層その身を幼さを意識させ、その顔には皮の目隠しが付けられていた。
そして特に目立つのは赤味かかった黄色の髪から伸びる狐の耳と、臀部から伸びる四本の髪と同じ色の尾。
少女は身動ぎをするたびにその身に縄を食い込ませ、その痛みと痛み以外のものでまた動くことを繰り返す。
「……は……る、と……」
か細く洩れた声はそこにいてほしい心境の表れか。
「…………」
「そこに……いるのでしょう?」
続く沈黙に堪えられなくなったのかその声に少し焦りが含まれる。
僅かにくねった体により縄が食い込み息を詰まらせた。
「くっ……い、いないのです……か? ……は、はる…と……東人っ」
徐々に焦燥感が滲んでくる声を聞きながら、これ以上は可哀想かと思い僕は返した。
「なんですか待宵様」
その声に安心したのか吊られた少女――待宵は口元を少し緩める。
「東人……これを解いて、くれませんか? ……少し、苦しいです……」
苦しさからか彼女の息は少し上がり気味である。
だが、僕はそれに首を振った。
「な、なぜですっ」
戸惑うように彼女が身動ぎ、ギシリと縄が軋む。
僕は近づくと縛られた体へ手を伸ばす。
手は彼女の目隠しを撫でるとその頬を伝い、首筋、肩、わき腹へと滑っていく。
「ふ……ぅ…」
撫で付ける手に彼女がむずがるように微かに動き、縄が食い込む。
それを気にすることなく手は食い込む縄と柔らかい肌を交互に感じながら滑り、わき腹から腰、腰から太ももを撫で付けると、その付け根へとゆっくり手を進め。
「あ……やめっ……んぁ」
――くちゅ
まだ辿りついてないのに、指先が水音を立てた。
触れてもないのにそこはぬかるみ、蜜を垂れ流している。
「そ、それは……なにかの間違いですっ」
手から逃れようと彼女は身じろぐが逃れられるわけもなく、ただより一層縄が肌に食い込むだけ。
その間にも手はさらに付け根へと進み、指で愛液を掻き混ぜてゆく。
――ちゃく…ちゅく……
さらさらとした愛液を弄びながら指はやがて、そこへとたどり着いた。
盛り上がった丘には閉じた割れ目があり、そこから次々と愛液が溢れ垂れる。
これでも間違いなのだろうか。
人差し指を這わせ、割れ目へと沈み込ませると、ぐちゃりと柔らかい肉が纏わり付いた。
膣肉は浅いながらも熱く、溶けるような柔らかさを返してきた。
「ひぅっ!」
彼女が身を震わせるのを見ながら、指を鉤にして浅い部分を掻きだしていく。
――ちゅぷ…ちゅぷ…
「ぅぁ…やめ……指が、膣内…っん……動いて…っ!」
掻き出すごとに吊られた裸体が軽く反り、息をの熱が上がっていく。
初めは苦痛も混じっていた声に艶が入り初め、肌も朱が差してくる。
「……っは…ひぁ……ん……」
秘裂がほぐれてくると、やがてどろりと白っぽく濁った愛液が溢れる。
その愛液をよく指に絡ませ、胸へと擦りつけると予想外のことに声を上げる。
「ひっ! な、なんですっ」
胸で擦りつけた愛液を掻き混ぜ、特にその中心にある硬く立ち上がりかけた芯を捏ねるようにする。
「んっ! やっ! んんっ!!」
耳元に近づき、あなたの愛液だと告げると。
「っ…それは……んむっ!!」
開いた口に指を差し込む。彼女は初めは驚いたようであったがすぐに舌で舐め取っていく。
「はむ……ん、んちゅ…んぁ……ちゅぷ…」
乳飲み子のように彼女は夢中で指を舐める。
彼女が夢中になっている間に、秘裂へと戻り顔を近づけると。
「…んぁっ! やっ! なにかっ…掻きまわし…ひんっ!」
舌を差し出すとゆっくりと舐め上げ、じゅくりと酸味が舌に広がり、目の前の割れ目が形を変える。
彼女の口から指を引き抜くと両手で慎ましい臀部を掴み左右に割り開く。
そして舌先を尖らせると静かに埋めていった。
――ちゅぷぷぷ……
「……ぁ、ぁ、ぁ、あああ……っ!」
彼女の背がくんと反る。
膣内を探るように舌をゆっくり動かすと、ざわざわと膣壁が蠢くのが判る。
そうしながら空いた手は彼女の胸へと回り、硬くなった芯を摘んだ。
「ひぅんっ!?」
急な刺激に膣が舌を締め付ける。
きゅうきゅうと締め付ける膣内を堪能しながら、穿るように舌を動かし続けた。
「ぁく! んっ! ひ…あっ!」
乳首を摘み上げ、締まる膣を掻きまわす度に彼女がびくびくと動く。
その白い体はうっすらと赤く火照り始めている。
やがて彼女の爪先が丸まってきて、細かく膣が痙攣し出すのを舌先から感じ。
「…んぁ…ぁ、ぁ、ぁあっ」
寸前で舌を引き抜いた。
「……え?」
胸を弄っていた手も止まり、決壊寸前でお預けをされた彼女が間が抜けた声を漏らす。
「なんで……」
止めたのかと続く言葉が出せずに口篭る。
その間に波が収まったところで、ゆるりと彼女の秘裂を撫で上げる。
「あんっ!」
指先はほぐれ、自ら開く割れ目を軽く混ぜるように動くとそのまま下がっていく。
「…ぁ……そこ……」
指先は突起にたどり着く。
突起は皮を被った舌に可愛らしく充血する淫核があり、それを皮の上から優しく撫でる。
――くち…
「んっ……」
ぴくりと彼女の体が反応する。
――くち、くちくち……
あくまで皮の上から弄るだけの淡い動き。じれったいほどの小さな刺激にも、絶頂を逃した体は反応していく。
「……ぁぅ……ん、ぁ、ぁ……」
小さな小さな刺激の積み重ねに彼女の体が再び高まり始め。
――くちゃぁ…
指先が丁寧に皮を剥き、淫核が空気に触れる。
「ぁ……」
彼女の口から小さく期待の声が洩れ出た。
そして指先が淫核の周囲をなぞり――離れた。
「な…っ……なんで…」
二度目の声は物欲しげな声色であった。
物足りぬと言う様にギシリと縄が軋み、彼女の体が揺れる。
どうしましたと問うと、彼女は何か言いたげに口を開閉し、意を決して口を開いた。
「……どう…して…」
ようやく洩れた声はか細く消え去りそうだった。
だがその問いには答えず、僕は更に問いで返す。
どうしてほしいのか、と。
「…ぁ……く……」
彼女が口を閉ざす。
こんな状況で自分からねだることに抵抗があるのだろう。
待宵様はどうしてほしいのです?
「ひ……ぃ、ん…」
耳元で囁きながら秘裂とお尻の穴の間を軽くなぞった。
葛藤する意識とは別に震える体は二度も絶頂を止められ燻り続けている。
どうしてほしいのですか?
三度耳元で囁いた時、彼女が身動ぎした。
そして、彼女は震える唇を動かした。
「……て……さい……」
途切れ途切れの声。聞き返すと彼女の体から、ふと力が抜けた。
「…いかせて…くだ、さい……」
それは彼女が搾り出したなけなしの勇気なのだろう。
僕はできるだけ優しく、静かに彼女の耳に口を寄せ呟いた。

駄目です。

「……え?」
そのまま僕は秘裂へ人差し指を沈めていく。
――ちゅぷぷぷぷ……
「ぃっぁああっ」
それだけで彼女の背が反り返るが、その口元は不安そうに歪んでいる。
僕は目の前の細い首へ吸い付くと彼女がぶるりと震え。
「はぁ、ん……ぁ、や…だ……ひぅっ!」
絶対に“イかさないよう”気を配りながら、ゆっくりと突き立てた指をかき回し始めた。

……何時間経っただろう。
「……ぁ……ぁひ……」
すでに目の前の裸体で触れていないところは無く、何度と絶頂寸前まで押し上げられたことで全身は火照り、背中には汗が噴出しぽたぽたと落ちる。
「あ……ぉ…ぉぉ…」
左手で乳首を転がされながら、右手で秘裂と淫核を同時に攻められ彼女はまたも絶頂の縁へと押し上げられていく。
体が細かく痙攣し、開いたまま閉じられぬ口は端から唾液が伝い落ちる。
「ぁ、ぁあっ……ぁああっ!」
淫核を撫で付ける刺激に痙攣が次第に大きくなり、ガクガクと腰が動いたところで、指が離れた。
「っっ!! か……ゃ…やぁ……っ」
またも不発に終わり、持て余した快楽の行方を失い彼女は体をくねらせるが、縄が食い込むだけで身動きはできない。
「〜〜〜っ〜〜〜っ!!」
彼女は行き場の無い快楽に熱い吐息を吐き喘ぎながら悶える姿を晒していた。
全身の肌は薄紅に染まり、乳首は硬く立ちきり、秘裂は自ら開きとろとろと白濁した愛液を垂れ流し足を伝い落ちる。
朦朧としたまま、ただ彼女は過剰に与えられる快楽を発散させることもできず溜め込んでいく。
狂うかとも思うような甘美な地獄。
――しゅる…しゅる…
限界を見極めて一部の縄を緩めると、するすると彼女が床へと降りる。
「……は…ぁ……は…ぁ……」
未だ手足は緊縛されたままだが、彼女は起き上がろうとする気力すらなく床へ崩れる。
頬を床に付けたまま荒く呼吸をし、赤味の差した体が息をするたびに緩く上下する。そして突き出された臀部の間、熟れ切った秘裂からつうっと雫が糸を引き落ちた。
――――
彼女に近づくとその細い腰を掴み、その体を持ち上げる。
「あ……」
そのまま寝転びその上に彼女を跨らせると、取り出した陰茎を秘裂に擦りつけた。
――じゅっく…
「…お、あ……」
何度も上下させ、愛液をまぶすように動かすと彼女も腰を合わせてきた。
「ぁ……ん、あ……っ…」
手足の不自由なまま稚拙に腰を動かすが、もどかしいほどに刺激が足りない。
「……あっ…ぁあっ…ぃ…っ!」
どこか自分がなにをしているのか理解しているのだろう、皮の目隠しから汗以外の雫が伝った。
浅ましいと判っていても性器を擦り付ける彼女を見ながら、一度腰を大きく引き狙いを定め。
――ちゅ、ぶ……
「かっ……く…ぁ」
ゆっくりと。
――ちゅぷっ…ぷぷぷ……
「……は…ぁ…あ……、膣内…ひろ…がるっ…ぁ、ぁ、ぁ…っ」
少しずつ、少しずつ秘裂を割り開き、陰茎を沈めていく。
――ちゅぷぷぷ……
のろのろと、膣壁を引きずりながら進む陰茎に合わせるように彼女が背を逸らしていき。
――つ…ぷんっ
亀頭が硬いものを小突き、行き止まりにたどり着いた。
「……ぅ……はぁ…ぉあ……」
待宵は喉まで反り返り、全身を小刻みに痙攣させる。
膣は幼い体相応で陰茎はまだ尺を残しているが、ドロドロと熱く小く痙攣をする膣は心地いい。
浅い波の余韻に浸る彼女を見ながら、ゆっくりと腰を引き抜き始めた。
――ず、ず、ず…ずず……
「ひ…くぅ……っ…ぃ」
陰茎に纏わり付く肉を引き剥がしながら引き抜いていく。
ぎりぎりまで抜くと、再びゆっくりと陰茎を収めていった。
――ずぶ…ずるずる…ずるる……
「…ふ、か……あぁ…ぁう……ん、はぁぁ…」
子宮を押し上げながら揺すると、痙攣しながら彼女は大きく息を抜く。
そしてまた抜いていく。
激しさはなく、泥のような交じり合う性交。
普段なら三往復はする時間をかけてじっくりと一往復する。
「っぁああ……くん…ひぃぃん……」
――じゅっぷ…
出来る限り快楽を先延ばし、混ぜあっていく。
何十往復したのか。掴む腰は何度も何度も小刻みに痙攣しながら臀部がヒクヒクと動き、膣が陰茎を引き込もうと蠢く。
「……っか………っっ! ……っ…ぁ」
すでに言葉を発することすらできず喘ぐ彼女は、限界という限界まできていて。
――ずる……じゅぶぶぶ……
納まっていく陰茎に震える彼女を見上げながら、行き止まりまであと少しまできたところで。
――ごちゅっ!!
力強く子宮口を突き上げた。
「――…きひっ!?!?」
彼女の喉から引き絞るような音が洩れるのを聞きながら、腰をしっかり引き寄せ亀頭で子宮口をぐりと抉るように押し付ける。
「……っ! こっ…ぁ……ぃ、ぃい…うぁあ……」
彼女は鳥肌を立てながら爪先を丸め足から徐々に全身を痙攣させガチガチと歯をかみ合わせる。
尿道と子宮口を合わせる様に押し込み、解放した。
――ぶじゅっ! びゅるるるっ!!
「ひっ! ――いぃぃいいいいっっ!!」
歯を食いしばりながら彼女は溜めに溜めた絶頂に悲鳴を上げた。
――びゅぶぶっ!! どっぷ…どっぷ…っ!
「ぉ、ぉぉぉおおお……っ!!」
子宮へと流し込まれていく精液の熱さから逃れようとするのか、言葉にならない悲鳴を上げながらその身をくねらせ、その体をより強く腰を引き込んだ。
「か、ひっ……か、ひっ……」
――ぴゅぶ…と…っぷ…
酸素を求めるように喘ぐ喉を眺めながら最後の一滴まで注ぎ込むと、彼女は崩れ落ちるように胸板に倒れる。
「…っは…っは…っは……」
涎を垂らしながら過呼吸気味な彼女にもはや力は無く、縄が擦れて赤くなっている部分をなぞった後、顔に手を回し汗と涙で濡れた目隠しを外す。
そこには濁り焦点の合わない瞳があって。
僕はその目を見つめながら、
「……っは…っは…んむ…ん……」
静かに口付けた。


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