「蛇入り」 作:匿名希望 また今日も開店直後の波をなんとか乗り切り俺は一息を付いた。 「陽司。一旦暖簾を外すぞ」 「頼むー」 月見の声に返事をしながら最後の皿を拭く。 「よし、これで終わりっと」 カチャリと皿を重ねると、暖簾を手に月見がやってくる。 「残りの片付けはわしがやっておく。陽司は先に伝票を整理しておいてくれんか」 「そうだな。それじゃあ頼む」 それに手を振りながら、溜まった伝票を片手に奥へと引っ込むことにした。 中々に厚い紙の束に手応えを感じつつ、廊下を歩いていると。 「……おーい……陽司ー……」 どこからか声が聞こえて、誰が呼んでいるのかと考えるが。 「って、一人しかいないか」 この家には今、俺と月見ともう一人……。 一瞬、伝票と廊下の先を見比べて。 「……しょうがない」 何を頼むかわからないが、伝票は少し後にして、そっちを先に済ませることにしよう。 溜息を吐きながら廊下を進んでいく。 だがこの先にあったのは確か。 「どう考えても」 進んだ先にあるのはトイレである。 そして扉の間からスルリと手が伸びていて。 「こいこい」 手招きをした。 「なにか用ですか雪紐さん」 声をかけても、手が扉の間からヒラヒラと振られるだけで。 「ちゃんと言葉に――」 そう一歩詰めた途端に、ガッシリと胸元を掴まれた。 「――は?」 何かを言う間もなく力強くトイレへと引き込まれる。 そこには予想通り雪紐が居て。 「はむっ!?」 いきなり唇を奪われる。 突然のことにもがくが、相手は神。びくともしない。 「ぐちゅ…んふ……あむ…ん、ちゅる…」 唇に吸い付きながら舌が差し込まれ、無理やりこちらの舌を巻き込む。 「……はむはむ…くちゅ……ちゅるる」 執拗に舌を巻き取られなぶられ、膝の力が抜ける。 どん、と背中が扉にぶつかった。 姿勢が下がった途端にふわりと手が頭を回り固定され、さらに深く舌が挿し入れられる。 「ふふ」 視線が合うと、雪紐は艶やかに笑う。 ゾワリと怖気を感じ視線を落とすと雪紐の片手が頭から離れ、細やかな指がズボンの上から股間を擦り中が見る間に硬くなるのがわかった。 細い指がすっかり硬くなったものを一撫でする。 ジ……ジジジ…… ゆっくりとジッパーが下ろされていく。 そして出来た隙間にするりと手が入る。 「あ、くっ」 冷たい指先が直接陰茎を掴み、その冷たさに腹の奥へと電流が奔った。 手は形を確かめるように表面を滑り、軽く握ると先走りを潤滑油として動き始める。 ちゅく……ちゅく…… 「……おむ…む……ぢゅぅ……」 上は繋がったまま、下は優しく手で扱かれ、じん……と頭が痺れた。 「…ちゅ……ん…」 舌が引き抜かれる。 「なに…を……」 かすれた声は唇を繋いだ糸を切るにとどまり。 指先が軽く俺の口から二人の混ざったを拭い、それを雪紐は舐め取った。 すでに腰が砕けそうな俺のズボンへと手をかけるとゆっくりズリ卸し、陰茎を取り出す。 先から先走りを流しパンパンになったそれを一撫でし、するすると雪紐は下りていき。 「……ふぅっ……んぁ……」 顔の前まで持ってくると頬を上気させ、舌を伸ばして裏筋を舐め上げた。 「じゅる……」 びくりと陰茎が震える。 舌は掠めるように陰茎の表面を這い、まだ軽く被っている皮の端へと引っ掛けた。 「……つー……ん……ちゅ……」 そのまま舌は皮へ潜り込むと、なぞるようにして剥いていく。 「く……ぁ…」 背を駆け抜ける間隔に声を漏らした。 完全に皮を剥くと、舌はカリをちろちろ舐めあげると、また根元へと下りていき。 根元から巻きつくようにして舌が伸ばされ表面を滑っていく。 それに思わず呻きを挙げそうになると、雪紐はこちらを見上げ嬉しそうに目を細める。 「はぁん……ちゅ…れろ……ちゅぴ……」 舌だけを伸ばし、少しずつ少しずつ隙間を無くして行くかのような、自愛に満ちた行為。 その柔らかな刺激は、腰の奥に快楽を蓄積させていく。 「ん、んちゅ……んぁ……大きい…わね…」 くちゅくちゅと音を立てながらカリの付け根をなぞりながら、そっと手が陰茎を握る。 ゆっくりと細長く冷たい指が根元から唾液でぬめりながら扱いていく。 「じゅる…んん……ちゅぢゅっ…」 その間も亀頭を包み削るように舌は動き、容赦なく攻め立てる。 気持ちいいが、物足りない。 腰がむずむずする感覚に悶えそうになっていると、雪紐が嗤ったような気がした。 「……ん」 舌が離れる。 雪紐はこちらを見上げると、舌を収め口を閉じ。 「ほら…こんなこともできる」 再び口を空けた時、そこからやけに細長い舌がでてきた。 そう、まるで蛇のような。 「ぁーん……」 雪紐は躊躇なく口を開けると、亀頭をくわえ込み。 「……ここふぁら……ん…」 ずり…… 「――っ!」 尿道に奔った熱と痛みに腰が逃げそうになる。 だが雪紐が腰に手を回していて逃げることはできない。 「んふ……」 雪紐が嗤いかける。 ずり…ずり…… 尿道を進む熱い感覚に陰茎が内部から刺激されていく。 「――が、ぎ…がぁっ」 声が漏れた。 まさか尿道から刺激されるなどと言うおおよそ経験しないだろう”気持ちよさに”対処が出来ない。 そしてそれに構うはずも無く。 「ん……んん……」 ずり…ずりり……ずり… 「――くぁっ!!」 まだ奥へと奥へと進んでいき、それと同時に陰茎も飲み込まれていく。 そしてようやく止まった時、 「――っ――っ」 すっかり陰茎は雪紐の口へと収まり、舌は尿道の奥まで収まっていた。 立っている事も必死な俺を、雪紐は見た後。 「…んじゅる……ぢゅっち…っ」 頭を前後に降り始めた。 それに合わせて尿道の舌も少し引き抜かれ、また奥へと入っていく。 「ぢゅっぢゅっぢゅっぢゅっ! …んんっ」 中から外から同時に刺激される。 もうすでに我慢などできず、すぐにでも射精したくなるが。 「んふ」 奥まで入り込んだ舌で邪魔される。 「じゅるる……はむ…んっんっんっ…」 尿道を内部から削られ、陰茎を外から扱かれ、射精すらできない。 身悶えするような快楽が行き場をなくし、へその下へとドロドロと際限なく溜まっていく。 そして。 「…ぢゅ……ぢゅぅぅうううっ!!」 それはきた。 「――ぐぁあ!」 強烈な吸い込みでビクビクと腰が震え、舌が回るように動き尿道を暴れる。 限界を超えた刺激に。 「んんっ」 びゅぷ……びゅぶぶ…ぶぶぶっ 舌を押し退けて、射精をしていた。 どっぷ…どっぷ… 痛みすら伴う全てを絞られるような射精。 「…ん〜〜っちゅるる…」 それを雪紐は少しずつ吸っていく。 びゅっく…びゅ…っく… 長い、射精が終わり。 「んんん……」 ずる……ずる…ずる… 「ふぅ…っぁ」 尿道から引き抜かれていく舌の感覚に声が漏れた。 「んぁ…ちゅ」 引き抜かれた舌は精液でまみれており、雪紐はそれを愛おしげに口へと収める。 そして―― 「れぇろ……まだ…やれる…よね?」 再び陰茎へと舌を巻きつけた。 膝の力が抜け、ずるずると背にした扉を滑って床へ座り込む。 正直もう勘弁して欲しかった。 そう言おうとした時には、雪紐が腰に覆いかぶさるように身体を預けてきて。 「じゃあ……いくわね」 長い舌先が鈴口を撫でると。 つ…ぷ… 「――っ!?」 また尿道を奔る熱い痛みとそれ以上の快楽。 舌はズルズルと尿道へと飲み込まれていき、中から犯される感覚に声も無く俺は悶絶した。 「ん〜〜……あ、む」 舌を潜らせていく中、雪紐は口を大きく開けると陰茎を咥え込む。 そのまま雪紐は陰茎を呑み込みながら、頭を落とす。 ずる……ずるずるずる……っ! 「…ぐがっ! ぎっ!!」 熱い口内に包まれ、熱い舌に貫かれひたすらに悶えた。 そしてある程度まで行くと、雪紐は一旦動きを止めると目だけで見上げ。 「……んふ」 嗤う気配に、背がぞくりと泡立った。 「んぁ……ぢゅごっ……おぐ…」 ずっずずず…… 「ギ――――ッ!!??」 陰茎が搾られるように喉の奥へと呑まれ、尿道の奥をかき回す感覚に目蓋の裏で火花が散る。 舌先はまるで何かを探るようであり。 「ん……ん〜〜……んっ…んふふ」 やがて『それ』を見つけたのか、雪紐は目を細め。 ズッ!! 「がぁぁああ!!」 我慢できずに声が上がった。 ず――ずずずずずっ! 舌先が、入ってはならない部分へと潜り込むのがわかる。 そこは精子が出てくる射精管で。 ずるっずずっ!! 「――っ?!」 ゆっくりとゆっくりと、雪紐は頭を動かした、 喉へと呑みこんだ陰茎がキュウキュウと締め付けられ、舌先は射精菅を抉り腰が浮き、射精をしようと陰茎がビクビクと痙攣する。 だが尿道へと入り込んだ舌がそれを許さない。 気が狂うような快楽にどうにかなりそうになったとき。 ずっ…… 雪紐はゆっくりと、頭を引いた。 ず、ずず…ずる……ずるる… 「ん、ん……んん〜……」 締め付けたまま、陰茎が、舌が引き抜かれていき。それに合わせて腰の奥から熱いものが込み上げ。 「ちゅぷ……」 陰茎から先に口から解放され。 残された舌はまたゆっくりと引き抜かれていき。 ずずずずず……ちゅぽ…… 「ぁ――か――っ!!」 ――ぶびゅっ! びゅく! びゅるるっ!! 「あはっ♪」 俺は腰を突き上げるようにして射精していた。 その勢いは止まらず雪紐の顔へと降りかかり、雪紐はそれを舌先で掬うと。 「こんなもったいない……」 射精している陰茎を咥え込んだ。 びゅくっ! びゅくっ! 「ん……ん……こく…こく…ちゅるる……」 射精した先から呑み込まれていく。 びゅっ……ぴゅる… そして射精の勢いが弱まって来る頃になると、口を放すと雪紐はまた嗤いながら。 「ほら……まだ、やれるよね」 舌先が鈴口を撫ぜた。 ず、ずずずずず…… 「――あ゙ぁっ!!」 尿道を通る感覚に喉の奥から声が絞られる。 舌は奥まで達すると、また引き抜かれ。 ずずず…ずずずず…… そしてまた尿道へと潜っていく。 二、三度それを繰り返すと腰が浮き上がり。 「ぁ……くぁ……ぁあっ!」 ずず……ず……ぢゅぽっ…びゅるる…… 舌が引き抜かれると同時に射精をする。 「はぁむ……ん、ちゅるる……」 雪紐は震える陰茎を咥えると噴き出る精液を吸っていき。 ちゅぷ……ず、ずずずず…っ! 「ご……おぉぉっ!」 再び尿道へと潜り込む舌の感覚に間をおかず腰が痙攣する。 ――どぷ……こっぷ……こぷぷ… 垂れ流す用に断続的に射精を繰り返しながら、俺が意味ある物として見た最後のものは。 「ぢゅるる……ふふ」 蕩けるような笑みを浮かべる雪紐であった。 目次へ戻る |