「絡み蛇外伝・今日のお夜食」 作:匿名希望 ……今日は本当に疲れた。 俺こと白葉陽司は込み上げる吐き気を押さえ込みながらそう思った。 そこらには酒瓶が転がり、机の上には食い散らかされたツマミの皿。 酒瓶は一本や二本じゃきかず、皿の数もそれなりにある。 無論、俺だけじゃこの量を消費することはできない。 「…うっぷ」 更に込み上げた波を抑えつつ、横を見る。 そこには横になっている一人の女性。 流れるような白髪と、そこから生える角、そして臀部から伸びる蛇のような尻尾。 神である『居候』の雪紐であった。 その端麗な顔立ちは赤く染まり寂しそうに顰められ、すらりとした腕には一升瓶が抱かれている。 時折聞こえる「いいもん…いいもん…」「すんすん」と言ったうわ言。 どう見て考えても酔い潰れ不貞寝している。 俺は詳しく知らないのだが、先日俺が寝込んだときになにかあったらしく。その罰で雪紐はしばらく酒禁されていた。 その反動か、解禁された今日飲み明かそうとした所、相手役の月見が用事で出かけてしまったのだ。 当然ながら雪紐は拗ねて、当然ながら仕事の終わっていた俺が巻き込まれ。 今に至る。 「……くそ、明日は二日酔い決定だな」 悪態を吐くがそれで楽になるはずも無い。 「ひどいぞぉ〜…秋はわらしが来るのに留守にするとか…神の恨みは長く続くんだぞ〜……」 横を見ると雪紐は泣きながらブンブン腕を振っていた。 この酔っ払いが。 一先ず片付けようとすると、ふと気がついた。 なんだか、雪紐の着物が薄いような気がする。 いや、着物はぶ厚いものだけど。なんだかそんな気がする。 まさかな… そう思い立ち上がろうとした時。 「うーん……暑い……」 雪紐が軽く襟元を緩めた。 思わず凝視する。 そこにあったのは肌。 下に着込んでいるものは無い。 そういえば最近暑かった。だからなのか? 一度意識するとどうしても見てしまう。 胸を見ると普段は隠されているはずの乳首が、軽く浮き出ている。 「ふむ……これは…誘っている…のか?」 そんな思考をするのが酔っ払いだと自覚した。 だが、気になったのならやらねばならない。 一度調理場へ引っ込むと、幾つかの道具を持ってきた。 神様仏様キリスト様アッラー様。特に神様すいません、今から神様に悪戯をします。 そう心で謝って、手に持った菜箸を伸ばした。 狙うのは胸の突起。 幾ら下に着込んでないとはいえ、着物の生地は厚く、微かな膨らみは掴み辛い。 「う……ん…」 だが、掠めるたびにむず痒いのか雪紐が声を漏らす。 そして段々それは着物の上からでもしっかりわかるほど硬く立ってきた。 そして、そうなれば。 「んっ…ぁ…」 箸がそれを摘む。 棒越しに伝わるコリコリとした感触。 軽く捻ると。 「ぁ……ぅ…」 その口から喘ぎが漏れる。 少し引っ張ると、箸から零れ。 「ひぅ……」 解放されたのが刺激になるらしい。 そして、また乳首を摘むと、力を込めて潰そうと力を込めた。 「ぁ……んんっ」 急な刺激に雪紐の体がビクリと震え、そして落ち着く。 顔の赤味は増し息も荒い。 俺はゴクリと唾を飲むと、軽く組まれた足。着物の裾を掴むと、そーっとつまみ上げ。 手にしたすり鉢を 「どうするのかえ?」 後ろからそんな声が聞こえた。 凍りつく。 ギギギギと、錆びたロボットのように首を後ろに向けると。 そこにはニッコリと笑った月見がいて。 「陽司……そのすり鉢を ど う す る の かえ?」 背後に浮かぶ歯をむき出しにした兎を幻視して。 俺は死期を悟った。 後日、雪紐には豪華名酒セットなる物が送られ、陽司はしばらく雑魚ご飯だったそうな。どっとはらい 目次へ戻る |